tohryufd’s diary

消防クリエイターとしての奮闘記

藤龍消防便り第42号

藤龍消防便り(とうりゅうしょうぼうだより)🚒第42号🚑2022年7月26日👨‍🚒

ここ数年、7月が近くなるとこの事件のことが脳裏に浮かびます。2016年7月26日、神奈川県相模原市にある重度知的障がい者施設「やまゆり園」に元職員の植松聖(うえまつたかし)死刑囚が施設内に押し入り、入居者や職員の方々を刃物で次々と襲い、入居者19名を殺害、職員を含む26名に重軽傷を負わした前代未聞の大量殺傷事件。「障がい者なんかいなくなればいい」という歪んだ思想による強行は世界中の障がい者とその家族や関係者は恐怖や怒りに震え、悲しみに包まれました。今号ではこの事件に対する私自身の思いを語ります。
<障がいを持つ消防従事者として>
私も現在グループホーム(障がい者介護支援施設)に暮らしている1人として他人事ではありません。もし、私の暮らしているグループホームで同じような事件に遭遇したら、どのように動くかを普段から考えてはいますが、正直なところ、思うように行動できるか自信はありません。ただ、私は一般の方々より多少なりとも対処法は心得てます。植松死刑囚のように内部事情に詳しい者なら、最初に職員と私が殺されるか拘束されるでしょう。私はあらゆる手段で抵抗しますし、外部との連絡(消防や警察)を試みます。ある意味、職員以上に厄介な存在になるでしょう。それ故に最初に消される、あるいは動きを封じ込まれるのは当然のこと。私は障がいを持つ消防従事者として、あらゆる事態を想定して、犯人の予想をはるかに越える行動が取れるように心の準備は常日頃からしてます。そして、何を優先させるべきかを臨機応変に判断して、被害を食い止める。犯行自体を諦めさせる環境作り(防災防火+防犯)に取り組んで行く必要があるですが・・・。まだまだこういった対策は不十分でわあるもの。あまり厳守にすると、(要塞のようで)普段生活している私たちが窮屈に感じてしまう。難しいところです🤔
<1人の障がい者として>
確かに私たち障がい者は障がいがある分、いろいろ大変なことはあります。でも、決して不幸ではありません。大多数の方々は個々の幸せを見つけて一生懸命生きています。また、重度知的障がい者は意思の疎通ができないと決めつけないてほしいです。意志の疎通ができないのではなく、周りが気づけないだけで、悲しいと思えば表情が暗くなります。楽しいと思えば表情が明るくなります。それに気づけるか気づけないかの差なのです。私自身、いろいろな障がいの方々を見てます。意志疎通ができないと思われてる方々のほうが、喜怒哀楽はしっかり表情に出ます。そばに居ればだんだん解ってきます。私たちの場合は障がいがあるもの同士だからこそ、通じ合えることも度々あります。私自身、脳性小児マヒで生まれつき障がいがありなかなか理解してもらえず、その結果、差別や偏見でずいぶん嫌な思いもしてきました。障がいを持つ方々は大なり小なり辛い経験をしてます。それでも個々の幸せを見つけて必死に生きている障がい者に向かって「障がい者なんかいなくなればいい」なんてずいぶん失礼な話だとおもいませんか❓😑私たちは決して社会にとってネガティブを与える存在ではない❗❗
<植松死刑囚に対して>
植松死刑囚(以降は植松)の生い立ちなんか、そんなもの私たちには関係ないし、どうでもいいこと☝️それより自分の歪んだ思想により19名の尊い命を奪い、26名に心身ともに傷を負わせ、たくさんの人々を恐怖に陥れたという現実に向き合うことが重要なのです😑植松に対する同情は一切必要ない❗遺族にとってはかけがえのない大切な家族を突然奪われたわけです。裁判では遺族からの「私たちの小さな喜びや幸せを奪った植松を絶対に許さない❗うちの大切な子を返して❗」という悲痛の叫びに私は思わず目頭が熱くなりました😢障がいがあり、大変な思いをしても、小さな喜びや幸せを見つけて一生懸命生きていただけなのに、無残にも殺されてしまったのです。植松はこの方々の無念を真摯に受け止めなければなりません。「自分は社会のために貢献した英雄」だと❓「バカなことをほざいてるんやないわ💢😠💢」個々の生き方は人それぞれ。他人にとやかくいう権利はありません。ましては命を奪うなんてそんなこと許されるほどこの世の中狂ってません☝️😡少なくとも私たち障がいを持つものたちは絶対に許さない❗❗「どっちがいなくなればいい」かを自覚してください😑
<まとめ>
その後、やまゆり園は取り壊され立て直しをし、ようやく昨年より再開されたそうです。大多数の入居者の方々は戻ってきましたが、そのなかでも、新たな自立のためにヘルパーさんのサポートをうけながらのアパート生活を始めた方もいらっしゃいます☺️この方についての詳細を中心に後編へと続きます。それではまた「次号」で☺️バイバイ👋
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藤龍市消防本部初代消防長
消防司令長
消防クリエイター
伊藤龍一