tohryufd’s diary

消防クリエイターとしての奮闘記

藤龍消防便り第30号

藤龍消防便り(とうりゅうしょうぼうだより)🚒第30号🚑2021年11月22日👨‍🚒

今号の私は「しくじり先生」です😔
<今から38年前・・・>
当時小学6年生だった私はとんでもない「しくじり」をします😔消防官を目指してた私がこともあろうか、両親の目を盗み「火遊び🔥」をしていたのです😔ある日その姿を母に見られ、叱責をされます。「うちが火事になったらどうするの❓❗😠もう絶対にやってはダメ😠いい❓❗わかった❓❗😠」と強く咎め(とがめ)られます。私もそこでやめておけばその後起きる「惨事」を防げたはずです😔物が燃えるのを見るのが楽しかった私は、それからも誘惑に勝てず「火遊び🔥」を続けていました😔そして「運命の日」がやって来るのです・・・。
<1983(昭和58)年11月22日>
この日は母が夕食の買い物に出かけ、私はいつものようにひとり、家🏠で留守番をしていました。ここぞとばかりに火遊びをし始める私は人生最大の「しくじり」をします😔当時流行っていた「キン肉マン消しゴム」に火を付けたのですが想像以上に火の勢いが大きく、怖くなった私は思わずゴミ箱に投げ入れたのです🔥ゴミ箱のなかのゴミに燃え移り、あっという間に大きな炎に🔥コップに水を入れ消火を試みます。何度も何度も繰り返します。今考えると外に出て家庭用のホースを伸ばして消火をすれば良かったのですが、気が動転してそんな余裕はなかったのです。運悪くゴミ箱のすぐ横に束ねてあった新聞紙にも燃え移りさらに燃え広がります🔥🔥🔥
<119番通報🚒👨‍🚒>
パニックになりながらも、次に打つ手を考えた私。ある数字が頭に浮かびます。それが「119」です。「そうだ❗消防車🚒❗」すぐさま電話☎️で消防に通報を試みます。当時の私は今よりはスムーズに喋れたのですが子供だったため住所が言えず叫ぶしかできませんでした😔消防も私の悲痛の叫びに緊迫感を察し「逆探知」を試みてたようですが、現代とは違いまだまだ時間がかかりなかなか特定できない。そうこうしているうちに電話線が切れてしまいます。「もうここにはいれない❗このままだと、僕、死んじゃう❗」と思い裸足のまま飛び出し、近所中は駆け回り火事を知らせ助けを求めます。近所の大人たちが私の必死の叫びに「ただ事」ではないと外に出てきました。近所のおばさんが改めて消防に通報☎️大人たちも消火器で消火を試みますがすでに炎が天井まで達し窓ガラスが割れた瞬間、炎が一気に吹き出します🔥🔥🔥今思うとあれが「フラッシュオーバー」だったのでしょう。間もなく消防が現着🚒🚒直ちに消火活動に。それと同時に買い物から母が帰ってきて、真っ青になり私の名前を叫び出します。近所の方々に私が逃げて無事と聞かされ、私も母に駆け寄り抱き付きます。父も知らせを受け会社から戻ってきます。父はその場に崩れるように倒れ込みます。私は父に謝り続けますが「もういいから。お父さんもお母さんもお前が無事ならそれでいい☺️」と母に諭されます。しばらく近所の方々と一緒に消火を見守ります。そして消防より「火は消えましたからご安心ください」と報告を受け、私はそこで初めて大声で泣きました😭親戚やクラスメートのお母さんたちが続々と集まり始め、両親は消防と警察から事情聴取を受けるなか、第一報が特定できないということで心当たりを聞かれ、両親も周りの大人たちも首をかしげているなか「僕がした。」と小さな声で答えた瞬間、消防、警察、周りの大人たちが静まり返ります。両親も最初は驚きましたが「この子、消防車🚒好きだからこの子ならするかもしれない・・・。」と答え、警察官が「大した子だ😲」と感心してました。
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<そして・・・>
翌日には家が壊され、私も黙って見つめていました。遠目で母が泣いてる姿を見てつくづく自分のしてしまったことの愚かさを痛感。そんな私に両親は「高い授業料を払ったがお前で無事で良かった☺️」と許してくれました。後日、管轄の消防署に父が呼び出された時に署長より「言葉は分かるのですが住所が言えなかったため、こちらも場所がなかなか特定できずに現場到着が遅れました。」と通報時の録音を聴かされ、さらに「お子さんの障がいのことは聞いております。まだ小さいのに我々に必死に助けを求めてくるなんて、なかなかできることではありません。これからも大切にしてあげてください。」と陳謝されたそうです。多くの方々に心配や迷惑をかけてしまい、今まで苦労をして築き上げたものを失った両親への懺悔。そして何より憧れの消防士さんたちを危険な目に遭わせてしまった・・・😔もう・・・僕には・・・消防官になる資格はない・・・😔消防を遠ざけるようになります。でも・・・消防署の前を通ると気になる・・・😔街中で消防車🚒を見かけるとやっぱり気になる・・・😔そして何よりサイレン🚨🔉が聞こえてくると体が勝手に反応をしてしまうのです・・・😔
<消防を無理して嫌いになる必要はない>
そんな姿を見かねた友人より「消防が好きなら無理して嫌いになる必要はない。火事の経験を消防で活かせばいい。」との一言で目が覚め、吹っ切れ再び「消防官」を目指すようになります👨‍🚒皆さんご存知の方も多いのですが私は生まれつきの障がいにより身体が不自由なため「消防官」にはなれませんでした。それでも「消防ファン」として陰ながら応援は続けてました。そして現在「消防クリエイター」として活動してるというわけです。
<おわりに>
私は本当は「消防失格」です。そんな私だからこそ言います❗火災は生命や財産を一瞬で奪い、思い出までも灰にしてしまうとても恐ろしい災害です。それと同時に「自然災害」とは違い、普段からの「防火意識」により未然に防げぐことができます。私は「火遊び🔥」により「家族の命」以外はすべて失いました。どうか、皆さん、私のようにならないためにも絶対に「火遊び🔥」はしないでください。地元の元消防長にも「怖い思いをした君だからこそ伝えられることがある」というお言葉を頂きました。これからも私の経験を踏まえた「防火活動」をしていきます。⚠️空気が乾燥して全国的に火災が多発しております。さらにこれからはストーブ等が手放せない季節になります。くれぐれも「火の取り扱い」には十分注意してください⚠️それではまた「次号で☺️」バイバイ👋

藤龍市消防本部初代消防長
消防司令長
消防クリエイター
伊藤龍一